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これからの豊さ

2019/07/31(水)
先日の選挙で、どこに投票したら良いかなぁと、普段、あまりに不勉強なので、ネットの海をサーフィンしながら、関連すると思われる情報を見つけては、読んでおりました。選挙、つまり政治について考えることは、世の中全体について考えることにつながりますね。で、おおまかに次のようなことを考えました。

1.今は時代の転換点
2.わたしたちは新たな豊かさと価値観を生み出していく世代
3.思っている以上に洗脳されている
4.広告業という仕事

まず1について。これは私がいうまでもなく、前々からたくさんの方がいっていると思います。が、改めて、やはりそうだなと思いました。バブルが崩壊してから、どうやら日本は、いつの間にか世界の中でも貧しくなっていたようなんですよね。でもこれは、栄枯盛衰なんて諺もあるように自然の流れなんじゃないかと私は思います。いきすぎた拝金主義と物質主義から、別な価値基準への転換点ともいえるのではないでしょうか。

では、それはどんな価値基準なのか、2と3について考えてみます。これまでは、目に見えるものに価値が置かれることが多かったと思います。いい家に住む、いい車に乗る、いいモノを身に着ける、いい学校に入る、いい会社に入る、綺麗でいること(トロフィーワイフなんて言葉もありますねw)etc.それが自然の流れ、あたりまえ、そんな風潮があったように思います。ですが、その「あたりまえ」や「自然」とわたしたちが考えていたことは、どうやら大企業やマスメディアなどによって植え付けられた価値基準だったようなのです。(もちろんそれがあったから経済が発展してきましたし、そんな頑張り屋の日本人って素晴らしいとも思います。)

ビジネスやマーケティングについて、少しでも勉強したことがおる方ならおわかりだと思いますが、何かを買ってもらおうと思うなら、ネガティブと思われること、例えば、これがないと将来、困っちゃうんじゃない?ということを示すのが効果的と言われています。化粧品なら、これがないと将来シミになるよ、とか。不安を煽られていると同時に、綺麗でなければいけないという価値基準も植え付けられています。もちろん、困りごとを解決するというのは商売の基本だと思いますので、必要な情報を示すことは大切ですが、行き過ぎると、不安感や不足感が膨れ上がります。それで、そういった情報があふれているのが今の日本ではないでしょうか。するとどうなるかといえば

「もっと自分は何かを身に付けなければならない」
「自分はこのままではダメなのではないか」

そんな風に自信を喪失している人が増えているように感じます。また、必要以上に誰かと比べたりマウンティングしたりする(どちらも自信の無さの裏返し)背景には、このような事情が隠れていると思われます。

画一的な誰かの都合のいい価値基準に合わせるために、つまり自信をつけるために、あるいは人並みであるために、または虚栄心を満たすために、何かを持とうとすることもあるように思います。でも、それが誰かの都合のいい価値基準に合わせるためとなれば、そんなことはバカバカしく感じてきます。魔法からとけたような気さえします(大袈裟かな)。心もラクになります。そもそも人はみな違うのですから、マスメディアが一方的に流す価値基準に誰もが合わせるなんて無理な話なんです。あ、一応、書き加えておくと、誰かが悪意を持って情報を操作したというよりは、大きな流れの中で、結果的にそういうことになったというのがほとんどなのではないでしょうか。

インターネットの普及で、このようなことに気付く人が増えてきたように感じます。では、これからはどのような価値基準が生まれてくるのか、これからの豊さとは何なのか。ここまで書いて、ヤマザキマリさんの本(国境のない生き方/小学館新書)の中の言葉が浮かびました。

「他人の目なんて気にしなくてもいい」「他人の目に映る自分は、自分ではないのだから」

ヤマザキマリさんのお母さん(ヴィオラ奏者)の言葉だそうです。これからは「他人の目に映る自分」より「自分が感じていること」を大切にすることが、新しい価値基準や豊かさをつくることにつながるのではないでしょうか。広告業に携わる者としては、必要以上にネガティブな不足感を煽るといったノウハウに走りすぎることなく、私なりの感じ方を大切にしながら、お客様の感じていることを知り、表現し、伝えることが出来ればと、そんな風に思います。
猛烈な暑さですね。向日葵は喜んでいるようにも見えますが。元気に過ごしたいですね。ではでは、また。

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