録画していた「こころの時代/天上の響きに―左手のピアニスト・智内威雄」を見ていたら、智内威雄さんの演奏も生き方も素敵で、こころの面でも気づきがあったので、シェアしますね。
[番組の詳細]
左手のピアニストとして活躍する、智内威雄さん43歳。超絶技巧で国際コンクールに入賞するなど、将来を嘱望されたが、25歳の時、難病「局所性ジストニア」を患い右手の演奏機能を失う。失意のどん底で出会ったのが「左手のピアノ曲」だった。智内さんはどのようにして「音楽のちから」と出会い、人を喜ばせる音楽を身につけていったのか。左手のピアノ演奏と共に、じっくりと話をうかがう。
Eテレ WEBサイトより引用
智内さんは右手に違和感を覚え始めたとき、練習が足りないのかと思い、普段より練習量を増やしたのだそうです。でもそれは病気を悪化させる行為だったのだとか。このときのことを振り返って、智内さんは「こころの声を思考で抑えて練習した」というようなことを仰っていて、わたしは妙に納得しました。
これって、わたしたちがしてしまいがちなことではないでしょうか。諸々の事情(多くはお金や、自信の無さからくるエゴの声など)により、こころの声を無視してしまうこと。
その後、日常生活を送るには支障が無い程に回復したものの、ピアニストとして活躍するまでには右手が回復せず、失意のどん底に陥ったときに出会ったのが「左手のピアノ曲」だったのだそうです。
左手での演奏をハンデではなく、だからこそこころに響く何かがあるという風に、個性としてご自身の価値を認めていることが素敵だなぁと。
そして左手のピアノ曲を極めるほどに、何のために音楽をやるのかという元々の気持ちがよみがえってきたのだそうです。それは「人に喜んでもらうためであり、それが自分自身の喜びにもなる」ということ。それから、こころに響く演奏をするには、脱力が大事だということも仰っていて、これも身につまされました。
いまの社会全体の価値観って歪んでいると思います。そう思う私がおかしいのかと思ったりもしましたが、コロナ禍で既存の仕組みが崩れかけているいま、そういった世の中の仕組みや価値観を見直す時期で、智内さんの左手のピアノ曲は、そういったことに気付かせてくれているように、わたしは感じました。